自転車は、人間の脚力だけで走れる手軽で身近な乗り物です。
環境にもやさしく、現在では誰もが利用する移動手段ですが、その歴史は200年ほどと意外に短いことを知りました。
目次
堺の自転車博物館
日本唯一の博物館、堺の自転車博物館では、1818年からの自転車の歴史、自転車の街「堺」や環境・健康効用に関する展示など、300台以上の自転車と共に見ることができます。
ここにしかない展示がたくさんあり、フォルムの美しさが芸術的でさえある自転車の世界に引き込まれました。
自転車の歴史と堺
「ドライジーネ」
1818年、ドイツのカール・フォン・ドライスが発明した最初の木製自転車
サドルにまたがり、地面を足で蹴って走る二輪車で、イギリス、フランス、ドイツで流行りました。
チェーンを介して後輪を駆動する方式になったのは、1880年ごろの英国だそうです。
5人乗り自転車(オランダ)
現上皇様が皇太子(子ども)時代に 乗られた自転車は堺で作られたもので展示されていました。
堺製の自転車でサイクリングを楽しまれる皇太子時代の現上皇様
自転車の前には菊の紋が施されてあります。
堺の自転車の歩み
- 古墳作りに必要だった工事用の鍬(くわ)鋤(すき)を生産するための鉄の加工技術が発達しました。
- 16世紀、ポルトガル人によって、鉄砲、タバコが伝来し、タバコの栽培が盛んになりました。タバコの葉を刻む包丁が製造されるようになりました。
- 種子島に渡った鉄砲の製法を橘屋又三郎が堺に伝え、鉄砲作りから自転車の技術進化へと発展していきました。 堺には、鉄砲町という地名が今もあります。
- 堺の自転車は、貸し自転車からはじまり、部品生産へと発展していきました。
1台の自転車に使われる個々の部品は約1,000個もあります。
1900年前後から、ハンドルやフレームなどの部品が作られるようになり、現在では、自転車の部品生産では、世界一を誇るシマノが有名です。 - 日本の自転車産業発祥の地を標榜する堺市は「自転車を生かした街づくり」をスローガンに掲げ、レンタサイクルの利用推進や自転車レースによる観光振興に注力しています。堺観光レンタサイクル
堺観光レンタサイクル|堺観光ガイド堺市の観光案内所ではレンタサイクルサービスを行っています。電動アシスト自転車もありますので、長距離でもらくらくです♪
堺の自転車関連企業
第2次大戦で堺も焦土と化しましたが、島野鉄工所(現在のシマノ)をはじめとする部品各社の被災は比較的小さく、操業再開も早かったそうです。
自転車会のインテル、「シマノ」高収益の秘密
引用元 日本経済新聞
現在、堺製の部品は永年蓄積された優れた企画力と高品質で製造されていて、これがなくては自転車産業は成り立たないと言われています。完成品においても国産自転車の約25%を占めています。
近年は、電動アシスト自転車が普及して、子育て世代のお母さんたちやシニアの方たちにも便利で助かる移動手段となっています。
自転車の長所と短所
環境にいい自転車
自動車や工場を動かすには、ガソリンなど燃料が必要で、排気ガス(CO2)が出ます。
自転車は人間の力だけで走るので、排気ガスも出しません。地球の温暖化をこれ以上進めないために、自転車は有効な乗り物と言えます。
健康にいい自転車
新鮮な空気を取り入れ、気分爽快に走ることができる自転車。
体の余分な脂肪をエネルギーに変える有酸素運動を最も効率よくできるのが自転車なのです。
自転車は、体の中で最も大きな筋肉の太ももを常に動かしてペダルをこぐことや、姿勢を保つためにお腹や背中や腕の筋肉を使う全身運動なので、健康維持にメタボ予防に優れています。
引用元 エシカルサイクル
自転車事故
最近は、自転車事故が大きな社会的問題となっています。
東京都では、2020年から自転車保険の加入が義務化されます。その背景には、スマホを見ながらのながら運転による死亡事故や歩道猛スピード走行で起こる高額賠償事故が多発していることなどあります。
乗り捨て自転車
駅前の放置自転車や迷惑駐輪によって、緊急車両の通行の妨げや、障害のある方が怪我をしたりと社会問題となっています。しかし最近は、駐輪場の整備が各地で広がり、放置自転車問題が減少してきています。
乗り捨てられて所有者に引き取られない自転車は、リサイクルの自転車として国内外に譲渡再利用されるケースも多くなっています。
引用元 Yahooニュース
海外の自転車事情
オランダ
「オランダ人は自転車に乗って生まれてくる」といわれるほど自転車の普及率が高い国です。
人口以上に自転車の数が多い国で、自転車大国1位に君臨しています。
国土が海面より低い所が多いオランダでは、地球温暖化による海水面の上昇は深刻な問題となります。国・行政・企業が一体となって温暖化防止に取り組んでいます。
デンマーク
デンマーク人にとって、自転車は自分のもう一つの足となっています。
国民のほぼ半数が通勤や通学に自転車を使用していて、コペンハーゲン市内には240マイル(約386キロメートル)の自転車専用レーンや、駐輪場もいたる所で見かけられます。コペンハーゲンでは自転車の利用により既に年間9万トンの二酸化炭素の減少に貢献しているそうです。
自転車検定
無料お試し検定にチャレンジできます。
ちなみに普段自動車ばかり乗っている私は、不合格でした。
最近の堺は、自転車道と歩道を区別する広い道路が整備されてきて、住みやすい街に進化してきています。
エシカルサイクルとは
自転車について調べていると、エシカルサイクルという知らなかった言葉に出会いました。
「エシカル」とは、「道徳的な、倫理的な」という意味で、誰もが安心して自転車に乗れる世の中をつくりたいという考えです。
日焼けを気にして、あまり自転車に乗らない私ですが、心地よい季節には、風を切って有酸素運動に励みたいと思います。
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